物流効率化、約8割がデジタル化の効果を実感【運送業務の効率・デジタル化実態調査】
クリエイティブバンクが全国の物流業界の関係者を対象に実施した「運送業務の効率とデジタル化」に関するアンケート調査によると、4割強が物流効率化のデジタルツールを活用しており、約8割がデジタルツールの利用によって「良い効果を感じた」と回答していることがわかった。
調査対象は国内在住の物流業関係者(運送、倉庫、荷主)の20代~60代男女1032人。調査期間は2025年9月8〜11日。
荷待ち時間は「30分未満」が最多
2025年4月に施行された改正物流効率化法では、物流現場に「到着後の待ち+積み下ろし作業の合計で2時間以内」「満載率50%以上」という目標が掲げられている。今回の調査では、待ち時間・積み下ろし時間・積載率の実情、デジタル導入の有無による差を調べた。
トラックの運送について、到着から積み下ろし開始までの待ち時間はどれくらいかを聞いたところ、「わからない」31.8%を除くと、「30分未満」が最多の32.7%、続いて「30分〜1時間未満」が20.9%、「1〜2時間未満」が11.7%だった。
「30分未満」と回答した人の従業員規模は、最多が「〜49人」で36.8%、続いて「50〜299人」が30.0%、「1000人以上」が19.9%だった。
積み下ろし時間は「1時間未満」が過半数
積み下ろし作業にかかる時間を聞いたところ、29.7%の「わからない」を除いて、最多は「30分未満」で30.7%、続いて「30分〜1時間未満」が25.4%、「1〜2時間未満」が11.6%だった。待ち時間と積み下ろし時間を合わせても、目標とされる2時間以内を達成しているケースが多いことがわかる。

積載率、約2割強が50%以下で運行
トラックの積載率を聞いたところ、「わからない」30%を除くと最多が「70%以上」で28%、続いて「50〜70%」が20%、「30〜50%」が15%、「30%未満」が7%だった。これらの結果を総合すると、約2割強が積載率「50%以下」で運行していることがわかった。

4割強が物流系システムを活用
トラック運送の効率化のためのデジタルツール利用の有無は、「デジタルツール使用」が41.5%、「特にない」が34.8%、「わからない」が23.7%だった。

物流の事業区分ごとに利用しているデジタルツールの種類は、「特にない」「わからない」を除き、「荷主(メーカー、小売、ECなど)」については最多が「入出荷の管理システム」で37%、続いて「配車/運行計画システム」が34%、「車両状況把握システム」が26%だった。
「運送(トラック、運送、配送など)」は最多が「車両状況把握システム」で82%、続いて「配車/運行計画システム」が76%、「入出荷の管理システム」が52%だった。
「倉庫(保管、仕分、流通加工)」については最多が「入出荷の管理システム」で91%、続いて「積み下ろし予約システム」が51%、「配車/運行計画システム」が50%だった。
物流効率化システムを利用する約8割が効果を実感
トラック運送の効率化システム(デジタルツール)の利用で最も感じた効果を聞いたところ、「待ち時間が短くなった」が18.7%、「荷台の埋まり具合(積載率)が良くなった」が15.2%、「人手不足でも回せるようになった」が15.4%、「報告・資料作成が楽になった」が14.3%、「残業や早出などの時間外労働が減った」が13.1%で、約8割が「良い効果を感じた」と回答した。

調査概要
- 調査期間:2025年9月8〜11日
- 調査対象:国内在住の物流業関係者(運送、倉庫、荷主)の20代から60代男女1032人
- 調査機関:クリエイティブバンクが運営する「デジタル化の窓口」
- 調査方法:インターネットリサーチ