鳥栖 剛[執筆] 8:30

基礎化粧品「ドモホルンリンクル」を製造・販売する再春館製薬所がAI活用を強化している。このほど、顧客1人ひとりの「心と体の状態に深く寄り添う個別最適アプローチ」をAI活用で実現する「対話」の仕組みを設計したと発表した。

その仕組みは、「効率化」ではなく「心地よさの追求」に重点を置き、個人の状況に寄り添う最適なコミュニケーションの形を実現したという。具体的には、広告・メール・DM・アウトバウンドコールといった多様なチャネルにおいて、顧客の購買サイクルや行動履歴をAIが分析、最適なタイミングと情報を届けることで顧客エンゲージメントの最大化とさらなる顧客満足度向上の両立を図るという。

再春館製薬所は、電話を中心に注文や応対の履歴、肌質や身体の状態、ライフスタイルの変化などのカウンセリング履歴情報を蓄積、顧客との深い対話に活用してきた。一方で、顧客接点が電話からデジタルへと移行し、現在ではデジタル経由のユーザーが9割まで増えたという。

そのため、顧客1人ひとりの「悩みの本質やその想いの背景」を深く理解する機会が減少、新たな課題になりつつあるとする。そこでAIが分析した「購買確率や最適な購入サイクル」に基づき、顧客1人ひとりの「今」に最も寄り添う情報提供など、「気持ち」の上で最も心に届く最適なタイミングでの「対話」を実現するという。

再春館製薬所のAI活用。DM購買率約20%向上などAIで「心と体に深く寄り添う個別最適アプローチ」とは?
顧客の購買サイクルや行動履歴をAIで分析し、最適なタイミングと最適な情報を届ける

すでに成果事例も出ている。メール施策の購買サイクルを起点としたAIレコメンドメールでは、購買率約20%向上したという。

主力商品「ドモホルンリンクル」の「保湿液」は推奨量通りに使用すると約60日で使い切るが、個々の顧客の使用状況をAIが購買情報から分析、それぞれのタイミングで該当商品に関連するキャンペーンなどを届ける「AIレコメンドメール」を実施した。その結果、高倍率の向上につながったという。旧来のメール施策と比較しても、購買率の増加につながるという結果が得られたとしている。

再春館製薬所のAI活用は、AIのSaaS「AIMSTAR」「ミセシル」「Zero」の開発・販売などを展開するGROWTH VERSEと共同で取り組んでいる。

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