国内EC担当者の9割が「売上成長率の鈍化」を実感、海外展開は「言語対応」「国際配送」などが障壁
東南アジア・台湾で最大規模のECプラットフォーム「Shopee」の日本法人であるショッピージャパンは10月27日、日本国内のみでECサイト運営・販売を手がけるEC担当者110人を対象に、海外展開に関する意識調査を実施し、その結果を公表した。
国内EC事業の直近1年間の売上成長率は4割以上が「減少している」と回答。約9割が現在の国内EC市場だけでの売上成長に限界を感じている。一方で、81.8%が海外展開を希望しつつも、過半数が「国際配送の手続き」を障壁にあげた。

直近1年間の売上成長率
「大幅に低下している」が12.7%、「やや低下している」が29.1%。合計41.8%が直近1年間の売上成長率が「低下している」と回答した。

「横ばい」「やや減少している」「大幅に減少している」と答えた回答者に、売上成長が鈍化している要因を聞いたところ、「同業他社との価格競争の激化」が29.6%、「新規顧客獲得の難化」が18.5%だった。その他自由回答では「少子化」「物価の高騰のため」といった声があがった。

国内ECの売上成長の限界感
国内EC市場だけでの売上成長に限界を感じるかについて質問したところ、「かなり感じる」が26.4%、「やや感じる」が59.1%。約9割が売上成長の限界を感じていることがわかった。

国内EC事業の売り上げを伸ばすために実施している施策は、「商品ラインナップの拡充」が50.0%とトップで、「自社ブランド商品の開発」(44.7%)、「CRM施策や会員制度などの既存顧客のリピート強化施策」(42.6%)と続いた。

海外展開への希望
海外展開を希望するか聞いたところ、「非常にそう思う」が40.9%、「ややそう思う」が40.9%で、8割強が海外展開を希望している。

一方、海外展開に挑戦できない理由を聞いたところ、「国際配送の手続きが複雑で分からないから」が52.2%でトップ、次いで「初期投資や固定費用が高そうだから」(37.8%)、「現地の言語でのカスタマー対応ができないから」(30.0%)と続いた。海外展開をしない理由を自由回答で求めたところ、「円安」「技術流出防止」などがあがった。

どのようなサポートがあれば越境ECをスタートできるか聞いたところ、「初心者向けの始め方セミナー」が42.2%、「売れる商品や価格設定のアドバイス」が41.1%、「国際送料を安くする仕組み」が37.8%だった。

調査対象者について
調査対象のEC担当者が所属する企業で国内EC販売している商品カテゴリーは、「菓子・食品」が32.7%、「健康食品・サプリメント」が31.8%、「ベビー・マタニティー用品」が22.7%、「家電製品」が21.8%、「ファッション・アパレル」が20.0%、「スキンケア・化粧品」が18.2%。「おもちゃ商品」「生活雑貨」「スポーツ用品」「文房具用品」「ペット用品」「その他」と続いた。

調査概要
- 調査名称:国内EC担当者の海外展開に関する意識調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチマーケティング「リサピー」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2025年10月6日〜同年10月7日
- 有効回答:日本国内のみでECサイト運営・販売を行っているEC担当者110名
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