重要商品ページの作り込みには「BEAFの法則」を活用する!

ここでは、商品の魅力や実績、優位性などを分かりやすく伝える、「重要商品ページの作り込み」について紹介します。特に力を入れたい商品で、積極的に売っていく場合には必須です。色々なアピールを整理して分かりやすく伝えるための方法です。
商品ページ構成「BEAFの法則」
パワフルな商品ページには、だいたい「BEAF」の4要素が揃っています。①Benefit(購入メリット)、②Evidence(証拠)、③Advantage(競合優位性)、④Feature(様々な特徴)、それぞれの頭文字を取って「BEAFの法則」と言います。
まず、Benefitで商品の魅力、問題解決、購入メリットを表現。例えば、美容液なら「肌のハリと潤いを1週間で実感できる高保湿美容液」など。
次にEvidenceで「信頼性の論拠」を示します。「グルメ雑誌で何度も紹介され、あの有名レストランでも人気」など。Advantageでは類似製品との差別化を図ります。「独自成分○○配合で、通常の保湿クリームの2倍の保湿力」など。
最後にFeatureで、賞味期限やサイズや組み立て方法など、情報を網羅的に提供し、購入の最終決定を後押しします。
実はこの構成、お客さんの右脳と左脳にアプローチする効果があります。Benefitは主に右脳に働きかけ、感情的な「興味」を引き出します。その後、「でも、そんなに良い商品なのだろうか」という疑いにEvidenceを示し、「他にもいい商品があるんじゃないの?」に対してAdvantageを、「でも◯◯は大丈夫かな」に対してFeatureで詳細情報を伝えて、すべての不安をクリアして、お買い上げとなります。
つまりこれらは、「お客さんが持つクエスチョン」に対してのアンサーですよね。「アンサーファーストの原則」を突き詰めると「BEAFの法則」になるわけです。

Benefit(購入メリット)の訴求
Benefitの訴求は、商品によって「ポジティブ訴求」と「ネガティブ訴求」のどちらかで表現します。
ポジティブ訴求
「理想の生活」を描写。かわいい/スマートな自分の姿、楽しい誕生日の風景、スッキリ収納されたキレイな部屋。商品が使われるシーンや体験を、まずイメージ写真で表現します。
文章でも、どんな良いことがあるかを描写します。「レビュー抜粋」が有効です。例えば、父の日ギフトなら「普段喜ばない父が初めて大喜びして、感謝されました♪」、問題解決なら「長年のあの苦痛から解放されました。今ではもう手放せません」など。
ネガティブ訴求
「イヤなこと」を指摘して、それを「解決」する商品を紹介。階段を歩く時の膝の痛み、年々深くなる目尻のシワ、子供の周りで飛び散っているホコリ、浴槽の汚れなど。
健康食品が典型です。そこまでの困りごとじゃなくても、「プチ不便・不安」を伝えると、潜在ニーズが浮かび上がります。「調理に時間がかかる→ワンタッチで時短になります」など。「夏のレジャー。はしゃぎすぎてスマホをなくしちゃった…… そうなる前に、キャリングケースをお使いください!」「この収納ケースがあると、こんなにスッキリ片付きます
(Before/After対比)」など。
Evidence(証拠)の提示
評判や品質を証明する「証拠」を示します。実に様々なものがあります。累計販売数50万枚突破、◯◯ランキング1位などの販売実績、農林水産大臣賞などの受賞実績、テレビや雑誌などのメディアでの紹介実績、北海道などの地域ブランド、「著名スタイリスト◯◯さん絶賛」などの推奨コメント、医師・栄養士など専門家の監修、セレブやスポーツ選手が愛用、「◯◯ホテルチェーンで採用」「△△航空の機内で使用」といったBtoB実績、創業明治◯年などの企業としての実績等々です。
これらを商品画像に掲載するには、紹介されたメディアの写真、実店舗の行列、王冠をあしらった受賞マーク、数字やグラフなどの視覚的な工夫が必要です。ちなみに「楽天市場ランキング受賞」は取りやすいですが、それだけに頼るのはやめましょう。レビューやモニターなどの「お客さんの声」を効果的に活用することも重要です。
Advantage(競合優位性)のアピール
「この味わいの秘密、実は◯◯なんです」などと、自社商品が「他社の類似商品と比べてどのように優れているか」を示します。
Benefitでアピールしている「品質や効果」、Evidenceでアピールしている「実績」を生み出す要素とも言えます。複数あることが多いので、「この商品が選ばれる3つの理由」といった表現で、番号付きで列挙していく構成が鉄板です。
謙虚な人は「うちの商品にそんな強みはない」と言いがちですが、お客さん目線で考えてみてください。例えば干物を売っているとして、お客さんが最も目にするのはスーパーに置いてある安い干物です。ECで取り扱う商品はこういった商品よりは1ランク2ランク上のものが多いので、たいていAdvantageがあります。
一般と違う原材料、手間のかかった製造工程、凝ったデザイン、「化粧水・美容液・乳液の3役をこの1本で完結」といった機能性。あるいは量の多さ。返品・交換の保証、アフターサービスなど。「安さの秘密は、問屋を通さず直接買い付け」といった背景情報も有効です。
視覚要素でも表現しましょう。味噌蔵での仕事風景、性能比較グラフや、使用前後の効果を示す写真など。驚いた顔と吹き出しを画像に入れて「えっ、こんなにたくさん!?」などと商品のボリューム感をアピールすることもできます。
Feature(様々な特徴)の説明
Featureでは、お客さんの「でも、これは大丈夫?」という疑問や不安を解消し、最終的な購入決定を後押しします。
例えば、家具なら「組み立ては難しくないか」「重すぎないか、1人でも設置できるか」、入浴剤であれば「追い炊きできるか」「24時間風呂でも大丈夫か」といった細かい観点です。写真には、Benefitで使う「イメージ写真」と違い、「ディテール写真」を載せていきます。
商品のスペック、重量、材質、使用方法、サイズ、賞味期限、成分、組み立て方法、お手入れ方法などなど、対象となる情報は多く、たくさんの画像のうちFeatureに当たる情報が全体の約8割を占めることもよくあります。
目的は不安の解消ですから、説明文でも「オーブンレンジにぴったり収まるサイズの耐熱皿」、「○㎡」だけではなく「約○畳分」などとイメージできるよう伝えることが重要です。
商品ページでFeature部分の情報不足があると、問い合わせが入るか、購入しないで離脱します。なのでCS担当者と連携して「問い合わせでよく聞かれること」や、「色味が画像と異なる場合がある」「手作業による製造のため、サイズに若干のばらつきがある」といった注意事項をコツコツ追加して情報を網羅していきましょう。CSの効率化にもなります。
以上の見せ方の具体的な事例は、楽天市場やAmazonでの商品ランキングで、「自店舗と同じカテゴリ」の人気商品を見て、実例から学ぶのが一番お勧めです。
この記事は『売れる! EC事業の経営・運営 ネットショップ担当者、チームのための成功法則。』(インプレス刊)の一部を編集し、公開しているものです。
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