小林 義法 8:00
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デジタルマーケティングのトレンドは大きく変化しており、特に若い世代がスマートフォンやSNS、そして生成AIを積極的に活用している状況で、これまでのアプローチとは異なる新しいマーケティング施策が必要になってきている。

そんななか、存在感を増しているのがUGC(User Generated Content/ユーザー生成コンテンツ)だ。UGCとは、レビューやSNS投稿など消費者自身が生成するコンテンツであり、マーケティングにおいて高い信頼性をもつ。消費者に良質な体験を提供し、ECサイトに利益を生み出すためのUGC活用法と、「生成AI最適化」を実現するソリューションについて、ZETAの山崎徳之氏が解説する。

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

UGCの重要性とリテールメディアでの活用

ECサイトを運営する企業にとって、以前よりも真摯に消費者に向き合い、本当の意味での顧客体験を高め、消費者が納得したうえで良い買い物をしたと感じてもらうことが重要になってきている。その流れのなかでまず考えるべきは、ファーストパーティデータをどう活用するかという問題である。(山崎氏)

ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏
ZETA 代表取締役社長 山崎徳之氏

ファーストパーティデータとは、購入履歴、閲覧履歴、会員情報、問い合わせ履歴など、企業が直接収集するデータのことだ。サードパーティデータとは異なり、第三者を介することなく自社で直接収集したデータのため、信頼性が高く、プライバシー面でのリスクが低い。このようなファーストパーティデータと同様に、重視すべきなのがUGCだという。山崎氏が定義する4つのUGCは次の通りだ。

レビュー

ECサイトにおけるレビューは、消費者が購入を検討する際に最も重要視する信頼性のある情報源として注目されており、GoogleマップなどECサイト以外のプラットフォームでもレビューの影響力は増している。

Q&A

従来の一方的な評価から双方向のコミュニケーションをもたらすQ&Aは、質問と回答を通じて消費者同士が情報を共有するインタラクティブな形態のUGCであり、単なるFAQとは異なる活発なコンテンツとして注目されている。

ハッシュタグ

たとえばInstagramでは、ユーザーが考えたハッシュタグを付けて投稿することが定着している。最近ではAI技術を活用し、レビューの内容から関連するハッシュタグを自動で抽出し、ECサイトに付加することも可能だ。

検索クエリ

検索クエリもUGCの一種だ。ユーザーがその瞬間に知りたい情報を入力する検索クエリは、消費者のニーズを具体的に反映している。特に最近では、「カンバセーショナルサーチ」と呼ばれる自然言語による検索が増加しており、たとえば「友人の結婚式に適した服を知りたい」といった具体的な検索クエリがUGCとして機能している。

UGCの具体例
UGCの具体例

購買行動に大きな影響を与えているUGC

米国のテクノロジー企業Bazaarvoiceの消費者調査によると、回答者の77%が「UGCを通じて見つけた商品を購入する可能性が高い」と回答し、79%が「UGCは購入の意思決定に大きな影響を与える」と回答している。特に若い世代では、顧客体験のなかにUGCが存在することが当たり前となりつつあるという。

UGCが消費行動に与える影響
UGCが消費行動に与える影響

ECサイトでUGCを活用することは、消費者に良質な体験を提供し、利益を生み出すために重要な手段と言える。

日本のECサイトは現在、商品がメインコンテンツとして掲載され、その商品に口コミが付随する形が一般的である。しかし将来的には構造が逆転し、口コミやレビューなどのUGCがメインになり、そこから商品につながる形式に変化する可能性があると考えている。UGCが商品にまつわる主要な情報源として位置づけられることで、消費者は口コミをもとに商品を選び、購入できる仕組みが主流になるだろう。(山崎氏)

リテールメディア広告とロイヤルティプログラム

UGCを活用し、サイトの収益を高めていく手法として有力なのが「リテールメディア広告」と「ロイヤルティプログラム」だ。

リテールメディア広告

リテールメディア広告とは、小売業者がECサイトやアプリ、店舗を活用してユーザーに広告を配信する仕組みのことだ。これにより、購買行動や関心に合わせた広告を配信し、販売促進を図ることが可能になる

検索クエリを活用したリテールメディア広告の仕組み
検索クエリを活用したリテールメディア広告の仕組み

リテールメディア広告ではECサイト内でユーザーが検索中のコンテキストに沿った内容を提供するため、サードパーティデータを活用した従来のリターゲティング広告に比べて、ユーザーに与える違和感が少ない。ユーザーが購買意欲を持った状態で行う検索に広告が連動する仕組みは、購買プロセスをスムーズに進めると共に、顧客体験を向上させる効果がある。

リテールメディア広告は比較的新しい広告モデルだが急成長を遂げており、今後さらなる市場規模の拡大が期待できる。ECサイト内での検索は、購買意欲が高いユーザーによるものが多く、検索連動型広告が効果を発揮しやすい環境にあるからだ。

ロイヤルティプログラム

ロイヤルティプログラムは特典やインセンティブを提供し、ユーザーにブランドへの愛着を持たせ、長期的な関係性を築くことをめざす。すでに多くのECサイトが積極的にロイヤルティプログラムに取り組んでいる。これは、ロイヤルティがLTV(顧客生涯価値)向上に直結するからだ。

ロイヤルティ向上のための施策としては、割引やクーポンといった特典の提供がある。しかし、ロイヤルティの本質はユーザーと企業の良好な関係である。このため、単なる特典の付与にとどまらず、ユーザー自身に「ブランドやサイトを育てている」という感覚を持ってもらえるような、双方向のやり取りが発生する状態が理想だ。

そこで鍵となるのがUGCだ。ユーザーがレビュー(UGC)を投稿し、共有することでサイトが盛り上がり、ブランドに対する貢献感が生まれる。このような体験が「ファン化」や「ロイヤル化」を促進し、ユーザーとブランドの関係をより深めていく

UGCを活用したロイヤルティプログラム
UGCを活用したロイヤルティプログラム

リテールメディアにおける生成AI活用

生成AI検索が普及している昨今、従来の検索ではなくAIを利用して情報を調べ、その結果からECサイトにアクセスして商品を購入する流れが浸透している。この生成AI検索経由の流入は、現時点では全体の数パーセント程度だが、急速に増加している。特に若い世代ほど生成AI検索を使って商品検索をし、買い物をし始めている

品検索の手段・年代別 出典:「商品検索における生成AI活用の実態調査レポート2025」(いつも)
商品検索の手段・年代別 出典:「商品検索における生成AI活用の実態調査レポート2025」(いつも)https://netshop.impress.co.jp/node/14236

今後、生成AI検索が主要な流入元となる可能性は十分に考えられる。生成AIは広告戦略を考えるうえでも重要な領域になっていくだろう。

従来はSEOがGoogleの検索結果で上位表示をめざすものだった。それと同じように、生成AI検索においても、消費者の問いかけに対して自社のECサイトが適切な回答を提供できるような仕組みが求められる。信頼性の高いコンテンツを生成AIが採用する仕組みを構築することが重要な取り組みと言える。(山崎氏)

生成AI最適化が必要な時代に存在感を増すQ&Aコンテンツ

生成AIは消費者との会話を通じて、適切な回答を提示することを目的としている。たとえば消費者が「来週友人の結婚式に適した服はどこで買えるか」と質問した場合、生成AIは季節や予算、住んでいる地域といった情報をもとに最適なECサイトの商品を提案する。

生成AIは会話のなかで外部検索を行う。そのため、生成AIは事前に質の高いQ&Aを取り込んでおく必要がある。ECサイトで信頼性の高いQ&Aページを作成することで、AIの回答のなかに自社商品が表示される可能性が高くなる

生成AI施策にQ&Aが重要な理由
生成AI施策にQ&Aが重要な理由

信頼性の高いQ&Aページを作るには、ユーザーがサイト内で行っている検索クエリなどの情報を活用し、適切な質問と回答を作成しておく必要がある。質の高いQ&Aを用意することが、結果としてサイトへの訪問者を増やし、収益の向上に影響を与える

良質なQ&Aは、生成AI検索において鍵となる施策の1つと言える。生成AIが信頼性の高い情報を参照することで、消費者からの評価や満足度を高め、サイトへの流入促進にもつながる。(山崎氏)

生成AIからの流入を増やすには

こうした課題に対し、ZETAが提供しているのが「ZETA GEO」である。「ZETA GEO」はZETAがこれまで培ってきた技術を結集させた製品である。生成AIの回答結果に自社の情報を表示されやすくなるよう設計されており、自社サイトへの流入を促進することを目的としている

20年以上の実績を持つEC商品検索・サイト内検索エンジン「ZETA SEARCH」、約1500万件のレビューと150万件のQ&Aを管理してきたレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」、レビューなどから関連性の高いハッシュタグを自動生成できるハッシュタグ活用エンジン「ZETA HASHTAG」という3つの製品を連携させて生成AI検索最適化サービス「ZETA GEO」が誕生した。

「ZETA GEO」の概要
「ZETA GEO」の概要

具体的には、「ZETA SEARCH」でキーワードを抽出し、そのキーワードに対するQ&Aごとのランディングページを自動生成し、そこに内容に関連した商品を掲載する。さらに注目度の高いキーワードについては、ハッシュタグを生成して埋め込むことで、生成AIに学習されやすい仕組みとなっている。

「ZETA VOICE」では、レビューに「参考になった」と評価された実績を付加できるため、生成AIが信頼性を認識しやすいのも特長である。すでに生成AI検索において有益な結果が多数表示されるようになっているという。

ZETAのソリューションがもたらすもの

ZETAのソリューションは、さまざまなジャンルのECサイトに導入されており、すでに実績をあげている。たとえばあるファッションECサイトでは、「ZETA VOICE」導入後1か月で質問数が1652件、回答数が7964件に達した

また、スマートフォンアプリにQ&A機能を実装したところ、導入から3か月でQ&Aの回答数が3万7000件超という速いペースで蓄積された。レビューやQ&Aの活用が、ユーザーからの信頼を獲得し、購買行動を促進する上で非常に有効であることを示している。

「ZETA VOICE」の導入事例
「ZETA VOICE」の導入事例

また、ハッシュタグを生成できる「ZETA HASHTAG」も採用率が高いソリューションだという。

ECサイトにハッシュタグを設置するとECサイトのメディア感が高まる。単に買い物をする場所というだけでなく、Instagramを触っていて楽しいと感じるような、ワクワク感をハッシュタグで創出できる。(山崎氏)

実際、あるサイトではハッシュタグを経由したユーザーのCVRは、ハッシュタグを経由していないユーザーの4.7倍、回遊率は3.3倍にもなったという。ハッシュタグはアクティブなユーザーを見分けられるツールでもあるのだ。

「ZETA HASHTAG」の導入事例
「ZETA HASHTAG」の導入事例

「ZETA SEARCH」「ZETA VOICE」「ZETA HASHTAG」を連携することで、生成AIに最適化されたQ&Aやランディングページを自動生成できるようになるのが「ZETA GEO」である。

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