大嶋 喜子[執筆] 7/23 6:00

紀尾井町戦略研究所が実施したオンライン調査によると、回答者の25.6%が2025年になって「賃上げがあった、もしくはある予定」と回答し、給与以外の収入額は「変わらない」が最多だった。全国の18歳以上の1000人を対象に調査を実施、調査日は2025年7月8日。

賃上げ「あった、ある予定」は前年から5ポイント減

月給などの給与について賃上げがあったか、もしくは2025年にある予定かを聞くと、最も多かったのは「賃上げはなかったし今後もない」で29.5%(前回2024年7月7日調査では27.7%)、続いて「賃上げがあった、もしくはある予定」が25.6%(同30.9%)だった。

今年になって賃上げがあったか、もしくは今年ある予定か
今年になって賃上げがあったか、もしくは今年ある予定か

「賃上げがあった、もしくはある予定」と回答した割合を職業別に見ると、最も多かったのは「教職員」で7割台、続いて公務員の6割台だったという。

業種別では、「電気・ガス・水道業」「金融・保険業」などが5割以上で相対的に高かったのに対し、「飲食業」「サービス業」「娯楽業」が1割台で最低だった。

会社の規模別で見ると、10人未満が1ケタで、1000人以上が6割台。全体的に規模が大きくなるにつれ増える傾向があった。

年収別では、「100万円未満」は1ケタ、「1000万円以上」は6割超。年収が高くなるにつれ、「賃上げがあった、もしくはある予定」の割合が増えた。

給与以外の収入額は「変わらない」が最多

賞与(ボーナス)や手当など給与以外の収入額が、2025年になってどうなったか聞いたところ、「変わらない」が33.1%(前回調査32.9%)、「増えた、もしくは増える予定」が13.2%(同17.6%)、「減った、もしくは減る予定」が10.7%(同9.2%)だった。

「増えた、もしくは増える予定」と答えた回答者を職業別に見ると、「教職員」が5割で最多、次いで「公務員」の4割台だった。業種別では、「電気・ガス・水道業」の4割台などが多かった。

会社の規模別では、全体的に見て従業員数が増えるにつれ割合が高くなる傾向があり、「1000人以上」では3割台。年収別でも額が多いほど増える傾向があった。

14.9%が「賃上げや収入増があっても特に影響はない」

賃上げや収入増があったと回答した人に、どのような影響があったかを複数回答で聞いたところ、「特に影響はなかった」が最多で14.9%(前回2024年7月7日調査では33.2%)、続いて「賃上げや収入増はあったが家計は苦しい」が9.8%(同10.0%)、「欲しい物が買えた」が4.2%(同3.8%)だった。

44.3%が「インフレや物価上昇に対応できない」

現在の収入にどのような不満があるかを聞いたところ、「インフレや物価上昇に対応できない」が最多で44.3%(前回調査39.1%)、「生活したり家族を養ったりするには足りない」が25.8%(同25.0%)、「定期的な賃上げやボーナスがない」が17.8%(同18.8%)だった。

現在の収入にどのような不満があるか(複数回答可)
現在の収入にどのような不満があるか(複数回答可)

日本労働組合総連合会が7月3日に発表した2025年春闘の第7回(最終)回答集計によると、基本給を底上げするベースアップと定期昇給を合わせた賃上げ率は加重平均で5.25%だった。

それを踏まえて、2026年の賃上げは2025年と比較してどうなると思うか聞くと、「同程度になると思う」が最多で40.8%、「大きく減ると思う」「やや減ると思う」は合計17.4%、「大きく増えると思う」「やや増えると思う」は合計13.8%だった。

5年後の収入予測「変わらないと思う」が3割超

5年後の自分の収入はどうなると思うかを聞いたところ、最も多かったのは「変わらないと思う」で33.9%(前回調査は36.8%)、続いて「減る、もしくはなくなると思う」が24.7%(同27.1%)、「増えると思う」が14.0%(同13.8%)だった。

「減る、もしくはなくなると思う」とした人を地域別に見ると、「北海道」が最多で3割台、「四国」が一ケタで最低だった。職業別では「公務員」と「農林漁業従事者」が最多でそれぞれ5割台。業種別では「電気・ガス・水道業」と「飲食業」が4割台でトップだった。

調査概要

  • 調査日:2025年7月8日
  • 調査対象:全国の18歳以上の1000人
この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
[スポンサー]