入口商品、LINE活用、サンキュークーポンなど「お買い物マラソン」攻略に必要な5つのポイント

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載7回目は、「『お買い物マラソン』で新規顧客を増やす方法」についてのお話です。
「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。
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新規客を増やす「お買い物マラソン」攻略法
「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」の違いは?
「楽天スーパーSALE」と「お買い物マラソン」は、購入した店舗数に比例して、ポイントの倍率がアップしていく買いまわりイベントのことである。最大で10店舗で購入すればポイントが10倍付与されることから、お客からの注目度も高い。
さらに「楽天スーパーSALE」では、楽天がテレビCMなど宣伝をおこなうので集客力が大きく上がる。くわえて、店舗がセール価格に設定した商品を目立たせる「楽天スーパーSALEサーチ」という仕組みもあり、店舗がセール価格に設定することで、売上が伸びやすくなる特徴がある。
一方、お買い物マラソンはほぼ毎月のように開催されており、過去に多いときで月に3回開催されたこともある。買いまわりで付与されるポイントは、利用期限つきではあるものの楽天市場が負担してくれるため、販促の予算が少ないネットショップは可能な限りこのイベントに参加することをおすすめする。
お買い物マラソンは、できるだけ多くのネットショップを回って買い物をすることが目的になるため、「何を買うか決めていないけど、とりあえず何か買おう」と購入商品を決めずに楽天市場内を徘徊しているお客が多い。日用品や消耗品のほうが買われやすいため、できるだけ低価格の商品をラインナップしたほうが、新規のお客が流入しやすい。
お買い物マラソンでは、ポイントが付与される条件として「1注文につき1,000円以上(税込)」というルールが定められている。それにあわせて、990円にするよりは1000円ポッキリにするなど、その規定に近い価格の商品を用意することで、買いまわり客を誘導することができるようになる。
たとえば、「送料無料1,000円ポッキリ」というような入口商品は、お買い物マラソンのお客とっては買いまわりの対象になり、「ためしに買ってみよう」と食指が動かしやすい商品になる。
送料込みで1,000円という価格帯の商品を作るとなると、多くのネットショップは赤字になると思われる。しかし、お買い物マラソンで買いまわりのお客を新規客として獲得し、LINEやクーポンでファンに育て上げていく導線ができていれば、見込み客の獲得コストとして割り切るべきところでもある。

お買い物マラソンを「安売り」で終わらせないための5つの施策
お買い物マラソンの施策では、「安売りで終わらせない」という強い意志を持つ必要がある。漠然と送料込みで1,000円の商品を販売し、「商品を気に入ってくれれば、いつかまた買ってくれるだろう」という甘い考えは捨てなくてはいけない。
お買い物マラソンに参加しているお客は、少しでも安く商品を購入し、できるだけ多くの楽天ポイントを集めようとしているヘビーユーザーも多くいる。いろいろな店舗を見て回り、毎回違う商品を買い求めたいお客なので、そうかんたんにリピート客に引き上げられるとは思わないほうがいい。
お買い物マラソンで新規客の獲得を目的とした、低価格商品を販売する場合は、以下の5つのポイントはぜひ押さえてもらいたい。
- 第2章で解説した、お客に覚えてもらえる店舗名、商品名をつけること。可能な限りお客の記憶に爪痕を残すようなコンセプトのネットショップにする。
- 「入口商品」のページからイベント会場へ誘導するバナーを設置し、ほかの商品ページを案内したり、まとめ買いのSKUを追加したり、組み合わせ販売でついで買いをしやすくする。
- LINE活用はマスト。入口商品であっても、LINEで友だち登録してもらい、レビューの投稿を積極的に促し、レビュー数を増やして、次回のお買い物マラソンでも新規のお客が買いやすい商品ページを作ることに注力する。
- 「◯◯◯◯円以上で◯%OFF」など、単価アップのクーポンを配布する。また、次回に購入してもらうためのサンキュークーポンを配布する。
- ネットショップの案内や、商品を紹介するチラシなどを同梱して、お客に店舗名を忘れられないようにする。LINE公式アカウントの友だち登録やレビュー投稿を促すキャンペーンなどをチラシで紹介するのも一手。
この5つの施策ができていない状態で、お買い物マラソンで「送料無料1,000円ポッキリ」の商品を販売しても、新規顧客の獲得コストを回収できず、赤字の垂れ流しで終わってしまう。
このような基本の店舗づくりができていないネットショップは、楽天スーパーSALEやお買い物マラソンに参加する前に、「らくらくーぽん」や「LSEG」などのサービスを導入して、リピート客を増やす施策の準備をしておいたほうがいいだろう。
高価格帯の商品は、LINEやメルマガの告知で集客
高価格帯の商品を取り扱うネットショップでも、お買い物マラソンを有効的に活用することができる。事前にメルマガやLINEでお客を囲い込み、多くのポイントが付与されるお買い物マラソンでセールの告知をおこなえば、「機会があれば買おうと思っていた」という心理が働いて、購入に結びついてくれるかもしれない。
このようなプッシュ型のマーケティングを仕掛けるためにも、非リピート商品や高価格帯の商品でも、日ごろからメルマガやLINEを活用した販促はおこなっておいたほうがいいだろう。
この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。
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