「楽天市場」内SEOができていないと、広告を出しても売れない! 売れ行きUP、レビュー蓄積、商品ジャンル登録など"当たり前"のことを行うのが重要

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載4回目は、「『楽天市場』内SEOの攻略法」についてのお話です。
「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。
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楽天市場内SEOの徹底攻略法
広告よりも楽天市場内SEOが圧倒的に大事な理由
楽天市場の攻略は、「楽天サーチでいかに上位を取るか?」が基本戦略になる。先述したように、多くのお客はGoogleの検索結果から楽天サーチに流入し、そこから商品を探して、ネットショップの商品ページに入ってくるからだ。
極論を言えば、楽天市場内の検索結果で上位に表示させることができれば、商品はさらに売れるようになるし、売上が伸びれば楽天ランキングでも上位に表示されて、商品が加速して売れるようになる。つまり、楽天市場内SEOは、売上を伸ばすための加速装置であり、このノウハウをしっかり押さえることができれば、広告を使わなくても一気に売上を伸ばすことができるようになる。
裏を返せば、楽天市場内SEOを理解していなければ、楽天市場の広告に投資をしても意味がないことになる。なぜならば、楽天市場内SEOと広告には密接な関係性があるからだ。これから解説するノウハウは、今後の楽天市場の運営においてキモとなる話なので、ページ数を割いてくわしく解説したい。
楽天市場内SEOで上位表示されるページの評価基準
楽天市場では、「楽天市場の商品検索における検索順位の決まり方について」という内容で、2つのポイントを公開している※1。
※1_楽天市場トップページの下部の「プラットフォームの透明性及び公正性の向上に関する取り組みについて」を参照。
①検索キーワードと商品の関連性
検索キーワードが商品ページの説明文に記載されている回数、そのキーワードでヒットする商品ページの数により、検索順位に影響するスコアの加点と減点が実施されている。
②検索キーワードごとの商品の人気度
検索したキーワードに対して、クリックしたか、注文したかによってスコアの加点と減点が実施されている。
2024年10月には、店舗からの意見や問い合わせに対応するため、さらに詳細な内容として、「検索ロジックの評価軸および楽天市場における検索SEOの考え方」を RMS内のマニュアルに公開している。以下の3点が特に重要なポイントになる。
①商品の売れ行き、人気度
売れれば売れるほど、検索順位が上昇する。また、検索されたキーワードのアクセス数やクリック数が多ければ、人気がある商品と認知されて、楽天サーチで上位に表示されやすくなる。
②レビュー数や評価
レビュー数が多く、評価が高ければ、お客が安心して商品を購入する。結果、売れゆきが良くなり(転換率が向上して)、検索順位が上昇する。
一方、レビューが少なく、評価も低ければ、お客が購入を躊躇してしまうため、売れ行きが悪くなり(転換率が下落して)、検索順位が落ちていく。
③売れているジャンルに商品が登録されている
ジャンル名は検索対象になるため、正しいジャンルに登録するだけでも検索のヒット率が向上する。お客が選ぶジャンルに商品登録しなければ、検索結果にまったく表示されなくなる。
これらの条件の1つ1つをスコア化し、全体の点数が良い順から検索結果で上位から表示されていく。
こと細かく諸条件を書いたが、これらはすべてネットショップの商品ページづくりにおいて“当たり前”のことでもある。
楽天市場としても、流通総額を最大化するために、売れる可能性が高い商品を、楽天サーチのできるだけ上位に表示するように調整している。レビュー数が多く、評価が高ければさらに買われやすくなり、検索キーワードに連動したコンテンツが商品ページに含まれていれば、その商品がお客に買われる可能性は高くなる。
売れることに対して“当たり前”のことを、“当たり前”にやるのが、楽天市場内SEOの基本なのである。
楽天市場内SEOができていないと、広告を出しても売れない理由
「広告を出せば、楽天市場内SEOはやらなくていい」
そういう意見も耳にするが、実際には楽天市場内SEO できていないのに広告を出しても商品が売れないという事情がある。
たとえば、楽天市場内SEOに必要な、検索されるキーワードが商品名や説明文に入っていなければ、広告でお客を商品ページまで誘導することができたとしても、キーワードが見当たらないので、自分が欲しかった商品かどうかがわかりにくくなってしまい、購入まで至らない可能性が出てきてしまう。
また、商品のジャンル登録がしっかりできていなければ、楽天市場に広告を出稿しても、まったく違うジャンルに広告が露出されてしまう可能性があるため、やはり見込み客は集めにくくなってしまう。
転換率を上げるレビュー数に関しても、「0」の状態であれば、広告を出しても、そのページで商品を購入してくれる確率は低くなってしまう。
つまり、「楽天市場内SEOを施した商品ページ」こそが、広告を投下しても売れる商品ページであり、施策ができてないダメな商品ページに対してどんなに広告を投下してお客を誘導しても「買わない」という流れになってしまうのである。
楽天市場のネットショップ運営者の中で
「広告を使っても売れない」
「広告を使っても費用対効果が悪い」
と愚痴をこぼす人もいるが、それらの原因の多くは楽天市場内SEOが商品ページにしっかり施されていないからである。ザルのようにお客がすり抜けていくネットショップでは、売れるはずがないのだ。
ほっといても楽天市場内SEOでお客が来てくれて、勝手に売れるような商品ページができたところに広告を投資して、はじめて「広告を使って売上が伸びる」という結果を手に入れることができるのである。
楽天市場には「すぐに買う人」と「よく調べて買いたい人」の2種類がいる
もう1つ、楽天市場の広告よりも楽天市場内SEOの優先度が高い理由は、検索キーワードに連動するRPP(検索連動型広告)の露出が不安定な点が挙げられる。RPPについては第6章で解説するが、常に競合店舗の入札価格によって検索順位が入れ替わる広告のため、同じポジションで永遠に広告が出し続けられる保証はどこにもなく、同じパフォーマンスを発揮し続けることが難しいマーケティング手法といえる。
しかし、楽天市場内SEOで上位をキープしていれば、RPPの露出が下がった場合でも、自然検索で取りこぼしたお客を拾い上げることが可能になるため、大幅な売上ダウンを免れることができる。
また、RPPで買う人と、楽天市場内SEOで買う人では、買い物に対するスタンスが違うことも理解したほうがいい。
ネット通販で商品を購入する人には、「すぐに買いたい人」と「よく調べて買いたい人」の2種類が存在している。購入する商品がすでに決まっているお客は、タイパを重視して、検索で上位表示されている商品を迷わず購入するので、RPPの施策が効果的である。一方、何の商品を買おうか悩んでいる人は、検索結果の商品ページを1つ1つ検索しながら、最適な商品を見つけ出すことに徹底して時間を費やす。そのため、楽天市場内SEOで上位に表示させる施策のほうが重要になる。
このような二極化した消費行動を考えれば、RPPと楽天市場SEOの二刀流でお客を取りに行ったほうが、取りこぼしが起きにくくなることが理解できるだろう。
この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。
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