「またこのLINEか……」と思われない+ユーザーが開封したくなるLINEメッセージの作成&送り方のコツとは?

『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』の一部を抜粋して紹介する連載6回目は、「LINEメッセージ作成&送り方のコツ」についてのお話です。
「楽天市場」を攻略するポイントをまとめた過去記事は、以下をクリックしてください。
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LINEの友だちを増やすネットショップならではの方法とは
オーソドックスな手法だけでは、LINEの友だちを増やすことはできないと理解したほうがいい。たとえば、商品ページに「LINEはじめました」「友だちになってください」といったキャッチコピーを添えたバナーを設置しても、お客の立場としては友だちになるメリットがないので、おいそれと友だち登録はしてくれない。
プライベートのコミュニティツールとしても利用するLINEは、メルマガよりも登録してもらう難易度が高いと思ったほうがいい。知らない友だちとむやみにLINEでつながらないのと同じで、見知らぬお店のLINEに友だち登録するケースは稀なのである。魅力のある店舗づくり、商品づくりができていることが大前提であり、お客にとっても「このネットショップのLINEなら登録したい」と思われるような店舗のコンセプトと商品ページができていなければ、LINEの登録者数を増やすことは難しいと思ったほうがいいだろう。

ネットショップ独自のLINEの友だちの増やし方としては、商品にLINEの案内を同梱する手法が挙げられる(第2章のコラムを参照)。たとえば、ふるさと納税の商品を販売しているネッショップであれば、同梱物のチラシに
「LINEの友だち限定の返礼品があります」
「LINEに先行案内が届きます」
と記載すれば、LINEの友だちを増やすことができるかもしれない。
LINEメッセージは素人でもかんたんに作ることができる
次に、もう1つのノウハウの「メッセージの送り方と作り方」について解説していきたい。
LINE公式アカウントの運営のポイントは、大きく分けて3つある。
- トーク画面の下部に固定されている「リッチメニュー」
- 画像やテキストを1つのビジュアルとして配信できる「リッチメッセージ」
- カード型のメッセージを複数並べて配信できる「カードタイプメッセージ」
どのようなデザイン、メッセージがいいかは、ジャンルや商品によって大きく変わってくる。方向性やコンセプトを定めたければ、同ジャンルで売れているネットショップのLINE公式アカウントに登録し、リッチメニューや送られてくるメッセージを参考にすると、LINEの戦略のヒントを得ることができる。
また、リッチメニューやリッチメッセージなどデザイン性のあるコンテンツを作ることが苦手な人は、外部ツールを活用するといいだろう。CanvaやFigmaなどを使えば、専門知識がなくてもかんたんにデザイン性の高いLINEのメニューやメッセージを制作することができる。ウェブデザイナーを抱えていないネットショップにはおすすめの手法といえる。

飽きられないLINEメッセージのコツとは
お客に飽きられないLINEメッセージは、以下の公式を参考にして作るといいだろう。
商品×お得感×限定感
「商品」とは、売れ筋商品や新商品、シーズン限定の商品のことである。この商品にクーポン、ポイント、セールなどの「お得感」を与えて、さらにLINE友だち限定、2時間限定、15名限定などの「限定感」を強調することで、お客に「このLINEは常にお得な情報が書かれている」と意識させ、定期的に開封してくれるLINEメッセージへと認知されるようになる。
なお、LINEの画像やテキストによるメッセージは、郵便ポストに投函されるチラシのように、セールなどの「お得感」を伝える連絡の手段としては有効ではあるが、手紙のように相手を説得して購入意欲を湧きたてる「付加価値」の販売には適していない。また、売り手側のこだわりやキャラクターを伝えられるほどの文字量、スペースがないので、お客をファンにしていく力は強くないと思ったほうがいいだろう。
もし、LINEをファンづくりのツールとして活用したければ、以下のようにして、別のコンテンツでファン化する施策を講じたほうがいい。
- リッチメッセージで動画を投稿する
- InstagramやX、TikTokへの投稿を条件としたキャンペーンを案内する
- 新商品の開発ストーリーを伝えるブログ(コンテンツページ)を紹介する
LINEのメッセージを送るのはタダではない
LINEメッセージの配信回数は「週1~2回」が理想と言われている。それ以上の回数だと“うざいメッセージ”と認識されてしまい、ブロックされてしまう可能性がある。ほどほどの配信回数で留めるのがポイントといえる。

また、配信通数が増えると利用料金が増えることも念頭に入れておいたほうがいい。常に1か月間の総メッセージ数の配信通数を意識しないと、売上を伸ばしたいタイミングで追加の配信料を支払う必要もあるので注意が必要である。
ただし、LINEのメッセージの料金設定は、送れば送るほど1通あたりの配信コストは安くなる仕組みになっている。具体的には、50,000通までは1通3円、50,001通から2.8円、100,001通から2.6円と段階的に単価が下がり、7,000,001通から10,000,000通までが最低単価1.1円となる。月額の利用料金が高くなっても、見込み客が増えるのであれば、費用対効果が良くなるケースもある。
コストがかかるから配信数を控えるのではなく、配信対象をセグメントして配信数を制限することも、1つの戦略として考慮しておいたほうがいいだろう。

LINEは、友だちに登録した期間や地域、性別などをセグメントして配信できることから、より熱量の高いお客にメッセージを配信して、見込み客に商品を販売することも可能になる。たとえば、地域限定の商品や、LINE限定の商品など、付加価値の高い商品をお客に販売することで、「このお店のLINEは読んでおいたほうがいい」と思わせることも、ネットショップのブランド力を上げる施策になる。
ECマスターズクラブで提供しているLINE公式アカウントの配信ツール「LSEG」は、「LINE通知メッセージ」に対応し、購入につながらない友だちへの配信数を減らせるように、RMSと連携して購入者や購入情報をセグメントしてメッセージを配信することができる。LINE公式アカウントからの配信で通数が増えているネットショップは、ぜひ活用していただきたい。

LINEと楽天スーパーSALEが、抜群に相性がいい理由
LINEとメルマガの大きな違いは「即時性」にある。メルマガは配信した初日に販促効果が高まり、2~3日かけてゆっくりと効果が落ちていくのが一般的である。一方、LINEは、配信直後から数時間以内に急速にアクセス数が集まる。
LINEの即時性を生かせば、メルマガよりも効果的に売上を伸ばすことが可能になる。たとえば、第5章で解説する楽天スーパーSALEやお買い物マラソンなどの大型企画の場合、イベント前にLINEを利用して、見込み客に対して割引クーポンを送付、初日に購入してもらうことで楽天ランキングや楽天サーチでの表示を上昇させて、イベント当日に露出を高めるという戦略を組むことができる。
この記事は『楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~』(技術評論社刊)の一部を編集し、公開しているものです。
楽天市場 最強攻略ガイド ~売れるネットショップの新常識、ECの達人が教えます~
竹内謙礼 /清水将平 著
技術評論社 刊
価格 2,400円+税
「楽天市場に出店したいけど、売れるかどうか不安だ」「楽天市場にお店を出したけど、思うように売れない」「何年も楽天市場に出店しているけど、売上が少しずつ落ちている」といった悩み・課題を解消するプロの知識・ノウハウを解説。EC運営初心者、ベテラン運営者も新たな発見につながる一冊となっている。