イオンネクスト、ネット専用スーパーの物流拠点に新たな自動化ロボ導入。人手作業の約30%を担い負担軽減+作業効率アップ

イオンの子会社でネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」を手がけるイオンネクストはこのほど、大型物流拠点である千葉県千葉市の誉田CFC(顧客フルフィルメントセンター)に、AIとロボティクス技術を駆使した2つの自動化ロボットを本格的に導入すると発表した。人手による作業の約30%を自動化ロボットが担うことで、従業員の作業負担の軽減や作業効率の向上をめざす。
ピッキング・パッキング、台車積み込みを担うロボットを導入
新たな自動化ロボットは、商品をピッキングする「オングリッドロボットピック」と、配送直前の注文ボックスを台車に積み込む「オートフレームロード」。単純作業や重労働など従業員の身体的負担の大幅軽減、物流現場における生産性の向上、安定した供給体制、作業効率アップ、働きやすい現場作りをめざす。
イオンネクストによると近年、オンラインの食品購入の需要が拡大しており、物流拠点では高効率かつ柔軟なオペレーション体制の構築が急務になっている。特に、商品をピッキング、パッキングしたりする工程、体力的負荷の高い出荷準備作業は、人手に頼る部分が多いという。
誉田CFCでは、これらの作業の業務効率向上に対応するため、自動化ロボットを本格導入する。
オングリッドロボットピック
「オングリッドロボットピック」は、顧客が注文した商品をピッキング、パッキングする最先端のロボットピッキング。さまざまなサイズ・形状・重量・傷つきやすさを持つ商品を、AIがその場で認識・判断し、袋詰めする。
1日あたり約20万点の商品ピッキングが可能。グリッド(商品棚)上から商品を直接取り出すことで、従来人手で実施している場所の省スペース化と生産性の向上に貢献する。ピッキングの対象商品数は約3000品目から開始し、2025年度中(2026年2月まで)に、約1万品目の商品をピッキングする見込み。

オートフレームロード
「オートフレームロード」は、配送直前の注文ボックス(トート)を、配送用フレーム(台車)に自動で積み込むロボティクス技術。配送準備の中でも特に重労働な作業において、画像認識カメラとAIにより、トートの形状や重さ、フレームの状態をリアルタイムで把握し、人手を介さず最大20キログラムのトートを最適な位置に自動で積載する。
重労働を完全自動化し、作業者の負担を大幅に軽減。配送車への積載効率や重さのバランスにも配慮した設計にしている。
従前はAIによる配送順や重量バランスなどを考慮した積載指示をもとに、人手で積み込んでいた。

イオンネクストの既存のロボット設備
イオンネクストではこれまでにも自動ロボットを活用してきた。
「ボット」は商品を収納したトートを持ち上げ、CFC内のグリッド(商品棚)上を走行しながら指定の場所まで運搬するロボット。注文に応じて必要な商品が入ったトートを正確かつ迅速に搬送し、ピッキングやパッキング作業の効率化に対応する。

「オートバギング」は1分間に50袋以上の袋をトートに掛ける自動袋掛けのマシーン。顧客に配送するトートに最大3袋を設置できる。

「バキュームリフター」は作業者の負担を軽減するためのハンドクレーン型バランサー。重い物や持ちにくい物を簡単・安全に持ち上げたり移動させたりできる。

「無人搬送機(AGV)」は、入荷商品の台車を同時に2台搬送できる無人輸送車。あらかじめ設定されたルートを自動走行し、効率的かつ正確に目的地まで入荷商品を搬送する。
