石田 麻琴[執筆] 11:15

ECには現実を、そして想像をも超えるパワーを持っています。ラーメン界のカリスマであり予約困難の有名店「飯田商店」がECを始めた時、2分で数百セットが完売するという現象が起きました。リアルとデジタル、限られたスペース・席数と限りなく広がる商圏・無限の空間、そこから得たチャンスと怖さとは? 今回は超有名店が得た「実店舗×EC」の実体験をピックしました。

「飯田商店」が語る、リアル店舗とECの交差点

「日本一予約がとれないラーメン店」飯田商店が語る、15年間の軌跡とECへの挑戦 | PRESIDENT Online
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/105266

最初は50セットか100セットくらいの在庫だったと思うんですけど、1個2個と少しずつ売れていくのではなく、Twitter(当時)で宣伝してから2分くらいで完売してしまったんです。ある意味怖かったですね、こんなに売れるの?って。

実店舗で何百セット分もお土産を販売するのなんてかなり時間がかかるじゃないですか。それと同じくらいの金額が数分で動いてしまったので、正直めちゃくちゃ怖かったですよ。

実店舗で何百セットも売るのに時間がかかるお土産が、ネットに出した瞬間2分で完売した。

これは飯田商店にとって嬉しさと同時に「怖さ」でもあったようです。

EC事業を長く営まれている皆さんは、同じような経験があったかと思います。EC事業が短い皆さんは、いまだ経験していないことかもしれません。

ECのパワーって本当にすごいんです。

「ネットで買ったことはあるけど、やっとお店に来れました」と。こちらからお尋ねしているわけではないのですが、今でも週1組くらいには言っていただけますね。

うちの店も含め、やっぱりどこの飲食店でも席数には限りがありますけど、通販だったら無限にやれるじゃないですか。そこでいい商品を作れれば、そのぶんまた盤石な商売につながっていくのがECの利点ですよね。全国が商圏になりますから。

飯田さんが語っていたのが「EC経由で知ったお客様が、リアル店舗に訪れてくれる」という事実。ECとリアルは相反するもののように思えますが、むしろ「循環する導線」を持っているということなんですよね。

そして、席数に限りのある実店舗とは違い、ECは理論上「無限」に届けられる。

全国が市場になり得る。改めてそのことを飯田商店は教えてくれています。

要チェック記事

日本初の“EC×包丁研ぎ”が大ヒット! 能登の鍛冶職人「ふくべ鍛冶」が見据える新たな市場展開 | よむよむCOLOR ME
https://shop-pro.jp/yomyom-colorme/105144

伝統職人のリスキリング的アプローチ。地域に眠る力が、ECで蘇る好例かもしれませんね。

“転売ヤー”を黙らせたスイッチ2 任天堂が挑んだ、かつてない出荷&抽選戦略 | ITmedia ビジネス ONLiNE
https://www.itmedia.co.jp/business/articles/2506/14/news029.html

個人的には転売がめちゃくちゃ悪いこととも思ってないですが、メーカーの意志は優先したいかなと。

「検索」から「対話」へ 老舗『Rtoaster』が描く、生成AI時代の“出会うUX” | MarkeZine
https://markezine.jp/article/detail/46059

「探す」から「出会う」への変化。AIによって時代が根本的に変わりつつあるのかもしれません。

「採算取れるの?」→まさかの回答が…ゲーム世界をリアルに再現!「ドラゴンクエストウォーク」イベントで見えた”凄まじいこだわり” | 東洋経済 ONLINE
https://toyokeizai.net/articles/-/884228

体験価値が大切になる時代。「採算」ではなく「共感」からが次のゲームをつくっていく。

定期通販モデルに特化した精度の高いLTV予測。ecforceがAIの機械学習でLTV予測を実現 | ネットショップ担当者フォーラム
https://netshop.impress.co.jp/node/14246

実はLTVって「算出しずらい」。なぜならお客さまが購入を止めたかはわからないから。どんどん挑戦して欲しい!

「ふるさと納税はネット通販じゃない」総務省、吉備中央町と須坂市を対象から除外 | ITmedia NEWS
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2506/13/news094.html

こういうところはきっちりしないとね。地方自治体ではなく、中間業者が提案しているのだろうが……。

今週の名言

「ガンダムが人生の優先順位でいちばん上」という31歳が作り上げた「圧倒的」趣味部屋。夢と現実、葛藤の日々を越え見つけたバランス | 東洋経済 ONLiNE
https://toyokeizai.net/articles/-/886214

ガンダムという絶え間なく拡張する世界と、自分自身の生活。そのふたつを、どう共存させていくのか? タカハシさんが選んだ答えは、「混ぜる」のではなく「並べる」だった。

趣味と暮らし、それぞれの“居場所”をきちんと分けながら、どちらも手放さずに生きていく。

「混ぜる」のではなく「並べる」という考え方。趣味と暮らし、それぞれに明確なそして並列の居場所を与えることで、両方とも大切にできる。

これはビジネスにも通じる姿勢に感じます。EC事業でも、「仕事」と「想い」が混ざってしまいがち。でも分けてみることで、それぞれの価値が見えてくる。

冷静と情熱を「並べる」。そんな働き方もよいのかもしれません。

ECマーケティング人財育成は「EC事業の内製化」を支援するコンサルティング会社です。ECMJコンサルタントが社内のECチームに伴走し、EC事業を進めながらEC運営ノウハウをインプットしていきます。詳しくはECMJのホームページをご覧ください。

UdemyでECマーケティング動画を配信中です。こちらもあわせてご覧下さい。

ユウキノインは寄り添い伴走しながら中小企業・ECサイトのSEOからコンテンツマーケティング、プレスリリースやクラウドファンディングなど集客・販促・広報をお手伝いする会社です。詳しくはユウキノインのホームページをご覧ください。

Designequationは何かに特化したサポートではなく、モール・ベンダー選定や広告・CSなど各企業に合わせたカスタマイズ型の運用サポートを行っています。

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
[スポンサー]