ECの決済、約8割が複数導入の“裏コスト”を実感。負担は「導入・維持のリソース」「セキュリティ対策」「データ管理・集計」など
ストライプジャパンが実施した「多様化する決済システムとデータ活用に関する調査」によると、回答者の約8割が複数の決済システムを導入することのコストを感じていることがわかった。また、約7割が複数のシステムにまたがるデータの活用が「不十分」と回答した。
調査対象は小売業・飲食業・サービス業に携わり、実店舗・ECでサービスを展開している全国の事業者500人。調査期間は8月8日~12日。
半数以上の事業者が店舗・ECともに複数種類の決済システムを導入
ECサイトで導入している決済手段の種類数は「1種類」が52%で、「2種類」が17%、「3種類」が10%、「4種類」が7%、「5種類」が5%、「6種類」が9%。

店舗で導入している決済手段の種類数について聞いたところ、「1種類」が42%、「2種類」が15%、「3種類」が12%、「4種類」が12%、「5種類」が6%、「6種類」が13%。

約8割が「“決済の裏コスト”を感じている」と回答
多様化する決済システムによりかえって“コスト”がかかることがあるかを聞いたところ、約8割の事業者が「何かしらのコストを感じている」と回答した。
どのような「決済の裏コスト」を感じるかを聞いたところ、最も多かったのは「決済システムごとの導入・維持にリソースがかかる」で48.7%、続いて「決済システムごとのセキュリティ対策に手間がかかる」が42.5%、「データ管理・集計が煩雑になる」が27.8%、「スタッフの教育に費用と時間がかかる」が22.7%だった。

複数のシステムにまたがるデータの活用が課題
EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータ(売上データや顧客データ、在庫データなど)を一元管理しているかを聞いたところ、「一元管理されている」が49.0%、「一部のデータのみされている」が25.2%、「ほとんどされていない」が25.8%で、5割以上が「データが一元管理されていない」と回答していることがわかった。

EC販売と店舗販売のデータ、また複数決済システムをまたいだデータを活用できているかを聞いたところ、「十分できている」が33.0%、「やっているが十分できているとはいえない」が44.0%、「ほとんどできていない」が23.0%で、約7割が「データを活用できていない」と回答した。

「パーソナライズされたサービスの提案・提供」への関心がトップ
決済データを一元管理し、活用することによって実現可能な顧客体験・店舗経営について取り組みたいことを聞いたところ、「顧客1人ひとりに合わせた、パーソナライズされたサービスの提案・提供」で21.2%でトップ。「ECサイトと実店舗における購買情報・在庫情報の一元管理」で16.4%、「オンライン・オフラインと最初の購入場所に関係なく、商品の購入・受け取りへのニーズの対応」が15.8%だった。

3Dセキュア導入義務化に対する効果と課題
2025年4月からECサイトへの3Dセキュア導入が義務化された。制度に対してどのような印象を抱いているかを聞いたところ、「一定の効果は感じているが、導入や運用に手間・コストがかかる」が最多の33.0%、続いて「不正利用の防止に効果を感じている」が32.4%、「利用者の決済離脱が増加し、課題を感じている」が18.0%だった。

調査概要
- 調査方法:ネットリサーチ
- 調査実施機関:ネオマーケティング
- 調査期間:2025年8月8日~12日
- 調査対象:小売業・飲食業・サービス業に携わり、実店舗・EC でサービスを展開している全国の事業者500人