ヤマト運輸、大規模マンションで自動配送ロボットを活用したラストワンマイルの実証実験を開始。受け取り利便性UP+ドライバーの業務負荷を軽減
ヤマト運輸とWATTは、大規模マンションでの新たなラストマイルモデル構築に向けた実証実験を開始した。2026年中の実用化を見込む
ヤマト運輸と、建屋フロア間自律走行ロボットを開発するWATT(ワット)は8月22日、大規模マンションでの新たなラストマイルモデルの構築に向け、自動配送ロボットを活用した実証実験を開始した。2026年中の実用化に向けて、実証地域の拡大、他の宅配事業者や他業界の荷物の配送対応も予定している。
実証実験では、大規模マンション特有の環境下での配送ニーズ、24時間稼働できる自動配送ロボットがもたらす新たな利便性などを検証する。具体的には次の通り。
- 大規模マンション特有の環境で、自動配送ロボットの次の機能を検証
- 正確性や生産性といった運用性能
- 障害物の回避など動作機能の検証
- 自動配送ロボットがもたらす大規模マンションでの導入効果の検証
- 利便性、住民の満足度、運用コストなど

使用機材は次の3種類。検証ではいずれも1台ずつ使用する。
- スマート宅配ボックス「W-Station(ダブル ステーション)」
- 機能:送り状を読み取り配送先を自動判断。自動配送ロボットと連動し、自動で荷物を受け渡しする
- 対面型自動配送ロボット「James mW(ジェームズ ミリワット)」
- 機能:エレベーターやセキュリティドアを操作し、指定された場所へ配送。対面での受け取りに対応する
- 非対面(置き配)型自動配送ロボット「James W(ジェームズ ワット)」
- 機能:「James mW」と同様。置き配に対応する
配達のフローは、常駐スタッフが所定の位置に荷物を格納し、自動配送ロボットが居住者の玄関ドア前に置き配をするという流れ。
- 常駐スタッフがスマート宅配ボックスに荷物を格納
- スマート宅配ボックスに荷物のサイズと送り状に記載された届け先情報を読み取らせる
- 居住者にメールで通知。居住者は通知メールに記載のURLから受け取り方法や受け取り日時・時間帯を指定
- スマート宅配ボックスが自動配送ロボットに配送を指示。自動配送ロボットはスマート宅配ボックスに移動し、荷物を受け取る
- 自動配送ロボットは、ロボットアームでオートロックの解錠やエレベーター操作を行い配達先へ移動
- 自動配送ロボットは、指定された配達先に到着したら、受取人となる居住者に到着を知らせて開錠用パスワードをメールで通知(受取人が対面での受け取りを希望した場合は、チャイムを鳴らす)
- 自動配送ロボットが玄関ドア前に置き配(対面での受け取りを希望する居住者は待機している自動配送ロボットの液晶画面にメールで通知された開錠用パスワードを入力。自動配送ロボットのドアが開いたら荷物を取り出す)
実証場所は2か所の分譲型マンション。事前に許可を得ている居住者を対象とする。
「プラウド新浦安パームコート」 (千葉県浦安市高洲8-1):期間は2025年8月22日~9月24日(土日祝は除く)。配達時間は9:00~18:00。総戸数は550戸で、地上14階。
- 「プラウドタワー目黒MARC」(東京都品川区西五反田3-3-2):期間は2025年10月23日~12月10日を予定(同)。配達時間は未定となっている(8月25日時点)。総戸数は301戸で、地上32階/地下1階。

検証の背景には、都市部や再開発エリアでは1000戸を超える大規模マンションが増加していることや、マンションの規模拡大に伴う居住者の荷物の受け取りニーズが多様化していることがある。
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