鳥栖 剛[執筆] 6:00

間接資材のECサイト「モノタロウ」を運営するMonotaROは8月19日、デジタル庁が少額物品販売の効率化や調達履歴管理のために開発した電子調達システム「GEPS(ジープス、Government Electronic Procurement System)」のプラットフォーム「少額物品販売業務」の調達連携先の外部カタログ事業者5社のうちの1社として選出されたと発表した。デジタル庁から、幅広い取扱商品、大企業向け購買管理システムにおけるこれまでの実績が評価されたという

デジタル庁の「少額物品販売業務」プラットフォームは、2025年3月3日に試験運用を開始、4月1日から本格運用を開始した。モノタロウはこのシステムに商品カタログを連携し、府省庁の間接資材調達の効率化に寄与するとしている。

政府は物品・役務の調達における一連の調達手続きのオンライン化、業務の効率化を推進している。2001年に府省庁共通の電子調達プラットフォームの整備を開始し、2014年に「企業等の利便性向上」「行政事務の簡素化‧効率化」「調達業務の信頼性の向上」を基本理念として「GEPS」を開発。電子入札だけでなく電子契約も実現した。

2018年にはマイナンバーカードと電子委任状を活用できる「調達ポータル」の運用を開始。調達ポータルから調達案件の検索、電子入札‧契約などの一連の手続きをオンラインでできるようになった。

電子調達システム「GEPS」は原則、日本全国の政府機関で電子入札・電子契約が可能。2025年3月末時点で、電子入札率約80%、電子契約率は約40%の利用率。電子入札と比較して、電子契約は普及していない状況という。少額物品調達は、複数社への見積もり依頼、決裁や発注など紙で行われている業務も多く、調達プロセスの効率化や調達コストの最適化が課題だった。

ただ、少額物品の調達は入札を行わないため電子調達システム「GEPS」の対象外で、年間約45万件に及ぶ調達業務が主に紙ベースだった。「少額物品販売業務」は、電子化を進めるために新たに「GEPS」の新機能として開発した府省庁共通の少額物品販売調達プラットフォーム。「GEPS」利用の対象外だった少額随意契約(300万円未満)の物品調達を対象としている。種類が多く調達に手間のかかる間接資材調達においても、商品の検索から承認‧電子契約、発注から決裁までの一連の手続きをオンラインで行うことができ、調達業務の効率化につながるという。

モノタロウ、デジタル庁開発の電子調達システム「GEPS」のプラットフォーム「少額物品販売業務」と連携
現状の調達業務(画像はデジタル庁の公表資料から編集部がキャプチャ)

少額物品販売業務プラットフォーム上で価格や納期、購買条件などが一覧で比較検討できることにより、都度の見積もりが不要に。最適な調達先を効率的に選定することが可能となる。調達価格だけではなく、各種手続きに必要だった費用が軽減されることで、従来と比較して相対的なコスト削減につながるという。

「少額物品販売業務」の対象範囲は、対象府省庁は衆議院、参議院、国立国会図書館、最高裁判所、会計検査院、内閣官房、内閣法制局、人事院、内閣府、本府、宮内庁、公正取引委員会、警察庁、個人情報保護委員会、カジノ管理委員会、金融庁、消費者庁、こども家庭庁、デジタル庁、復興庁、総務省、法務省、外務省、財務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省、防衛省。

少額随意契約(300万円未満)の対象商品分野は、機械部品/空圧機器/電気・電子部品、土木‧建築資材、切削工具/研磨材、作業服/ワークウエア/ 安全保護具、工具/電動工具、テープ/梱包資材/店舗用品、事務用品/文房具、パソコン/周辺機器 /メディアなど。

モノタロウでは今回のシステム連携で、豊富な商品ラインアップを強みとして、日常的に 使用する備品から、購入先が見つかりにくい低頻度購買品まで幅広く対応することで、各府省庁が抱える調達業務の効率化や課題の解決に貢献するとしている。

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