LINEヤフーの「Yahoo!ショッピング」、商品パトロールへAI導入、やらせ目的のストアレビュー削除の自動化などを実施

LINEヤフーは8月19日、「Yahoo!ショッピング」における安全・安心への取り組みと実績をまとめた2025年上半期(1~6月)版の「安全・安心への取り組みレポート」を公開した。
「Yahoo!ショッピング」では2025年上半期の取引トラブル率は2024年上半期と比べて74.6%減少、売り場の安全性は改善傾向にあるという。
「安全・安心への取り組みレポート」では出店前後の審査状況、市場全体で課題となっているやらせレビュー・不正決済などの対策と実績、2025年上半期から新たに取り組んでいる対策などについて記載している。
2025年1-6月期の取り組みと実績
信頼できるストアの厳選
「Yahoo!ショッピング」では2024年、在庫証明審査の実施、携帯電話・フリーメールアドレスを利用した申し込みの禁止などストアの出店審査を厳格化。不正が疑われるストアの出店抑制に取り組んだその結果、2025年上半期における出店審査の合格率は、2024年上半期の11.2%から7ポイント減の4.2%となった。
また、一部のブランドに関して、直営店や正規代理店の商品に「ブランド公式商品アイコン」の表示、発送や顧客対応などにおいて一定の条件を満たすストアを「優良ストア」として認定する制度を導入。ユーザーが安心して利用できるよう、売り場の改善に取り組んた。
不適切なストアや商品の排除
出店審査の厳格化だけでなく、出店後の途上審査も強化、悪質なストアは減少傾向にあるという。4月からはAIによる違反商品のパトロールを開始し、違反商品減少に取り組んでいる。これにより、従来の手法に比べて違反検知率が3倍以上になり、違反商品の減少につながっているという。
また、2025年上半期は政府備蓄米や「Nintendo Switch 2」など、取引環境の混乱が懸念される商品への個別対応を進めた。
商材の取り扱い審査に関して、2025年上半期から偽造品が増えている「浄水カートリッジ」を審査対象商材に追加、不正な販売抑制に取り組んでいる。
ブランド品への対応も引き続き強化。ブランド未審査ストアの商品削除数は前年同期比50.0%増の3438件だった。2025年上半期の1権利者あたりの平均申告件数は10.9件と前年から下げ止まりしていることから、2024年に実施した出店審査の厳格化や途上審査の強化、個人事業主への出品数制限などの対策の効果が出ていると報告している。
不正行為の防止
やらせレビューを中心とする不正なレビューへの対応を強化しており、2025年上半期には45万2701件の不正とみられるストアレビューを削除。2025年2月からは、やらせレビュー削除をシステムにより自動化し、リアルタイムでの対応を可能にしている。2025年上半期におけるストアレビューの対象ストア数は1123ストア。
クレジットカードの不正利用被害に対しては2024年4月以降、自社開発の不正検知システムの判定精度を改善した結果、被害を抑制しているという。2025年上半期の不正決済の被害金額は、2024年上半期と比較して41.2%減ったという。
すでに実施している「不正決済対策」「優良配送不正対策」の強化や、AIを活用した審査自動化を推進していく方針。