デジタル広告の課題調査、消費者の8割「信頼できなWebサイトでの広告を見かけた場合、広告に対して悪印象を抱く」

マーケティングテクノロジー企業のRoktは7月25日、広告主および一般生活者を対象に「デジタル広告に関する意識調査」を実施、その調査結果をまとめたレポート「デジタル広告の実態とデジタルリテールメディアの可能性」を発表した。
調査はブランド毀損リスク、ターゲティングの精度低下、広告のノイズ化など、デジタル広告を取り巻く課題に対し、広告主と生活者がどのような課題・懸念を抱いているかを明らかにしている。
ブランド毀損リスクについて
「ブランドセーフティとアドフラウドのリスク」について、オファーがどこに掲載されるかという「掲載面の信頼性」が広告の受け取られ方を大きく左右すると指摘。調査では広告主の76%が、「不適切な媒体や文脈に広告が表示されることに強い懸念を抱いている」と回答し、72.4%が「広告が本当に人間に届いているか不安」と答えた。
一方、生活者の85%は「信頼できないWebサイト上の広告を見かけたとき、その広告主に対して悪印象を抱く」と回答。広告が表示される場所が、ブランドへの信頼感を左右していることが明らかになった。
ターゲティングの精度低下について
広告主の70.8%が「ROASやCPAなどの広告効果が落ちてきている」と回答、69.9%は「不適切なターゲティングがブランド印象に悪影響を及ぼしている」と答えた。
一方で、生活者の82.3%は「なぜこの広告が自分に表示されるのか分からない」と回答、79.2%は「無関係な広告に不快感を抱いた経験がある」と答えた。
広告のノイズ化について
「広告疲れ・ノイズ化の進行」についても調査した。生活者の87.9%が「Webサイトやアプリ上で広告が多すぎると感じた経験がある」と回答。さらに81.0%は「広告が行動を妨げたことで、その広告主に悪印象を抱いたことがある」と答えた。
一方、広告主の74%も「広告疲れの進行により、CTRやCVRなど全体の効果が落ちてきている」と回答し、75.8%が「自社広告がユーザー体験を損ねている懸念がある」と答えている。Roktは「本来価値を届けるはずの広告が、むしろブランドの信頼を損なう存在になりかねないという現実が、浮かび上がっている」と指摘している。
リテールメディアによる課題解決について
これらの課題に対して、調査ではリテールメディアが極めて高い評価を得たとしている。
ブランドセーフティの確保としては、信頼できるECサイト内で表示される広告は、外部ネットワークに依存せず、広告主の73.9%が「安心して出稿できる」と回答した。
ファーストパーティデータの活用は、Cookieレス環境においてもECサイトのデータを活用した精度の高いターゲティングが可能で、80.3%の広告主が肯定的に評価しているという。また「買い物モード」に合った文脈性があるとし、79.1%の広告主が「購買行動中に表示される広告は好意的に受け止められる」と回答した。

調査概要
- 調査名称:デジタル広告とリテールメディアに関する意識調査(2025年)
- 調査委託先:マクロミル
- 調査方法:インターネット調査(インターネットリサーチ)
- 調査対象:広告主(デジタル広告責任者及び担当者)、一般生活者
- 回答者数・割付方法:広告主400人/一般生活者1000人
- 調査期間:2025年7月7日