鳥栖 剛[執筆] 9:00

楽天グループは8月から、「長期記憶メカニズムと対話型学習を融合した最先端の生成AI基盤モデルの研究開発」に着手する。

研究開発の着手は、経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する日本の生成AIの開発力強化を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)プロジェクト」の第3期公募に採択されたことを受けた動き。

楽天は2024年3月から、日本語に最適化したオープンかつ高性能な大規模言語モデル(LLM)の開発・公開に取り組んでいる。着手する研究開発では、既存のLLMでは難しかった、長く複雑な日本語の文脈に合わせた処理が可能な、従来よりも高度なLLMを開発するという。

言語モデルのメモリ機能を大幅に拡張する新たな技術を組み込むことで、応答生成時にアクセス可能な情報量が飛躍的に増加するとしている。楽天は、これらの技術を活用し、生成AIのメモリに関する既存の制約を克服することで、情報再現率および性能を大幅に向上させたモデルの開発を推進する。

今後、AIの次なるフェーズとして、メモリ機能を拡張することでLLMの記憶能力を向上させるとしている。ユーザーとの会話を記憶することで、ユーザーとの長期にわたる会話から能動的に好みや経験を学習・活用し、よりパーソナライズされた応答ができるLLMの開発をめざす。

楽天ではこれらの技術開発を通じて、「楽天エコシステム(経済圏)」内のさまざまなサービスへのAIエージェントの適用を拡大し、顧客体験の向上や業務効率化を図るとしている。

日本語に最適化され、かつ高度にパーソナライズされたAIエージェントの実現と、社会全体におけるAI活用の可能性拡大に貢献していきたい。(楽天AIリサーチ統括部 楽天技術研究所 平手勇副部長)

この記事が役に立ったらシェア!
これは広告です

ネットショップ担当者フォーラムを応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]

[ゴールドスポンサー]
[スポンサー]