音声AIアシスタントが離れて暮らす高齢者の「見守り・介護に役立つ」と8割、「コミュニケーションが改善」が約6割と回答
アマゾンジャパンは9月4日、離れて暮らす65歳以上の親や親族の見守りや介護などのサポートに関与している人を対象に、音声AIアシスタントの活用についての調査を実施しその結果を公表した。
それによると、調査対象者の24.4%が見守り・介護に音声AIアシスタントを利用していることが判明。そのうち8割が「見守り・介護に役立つ」と回答、約6割が「コミュニケーションが改善」と答えた。

離れた場所に見守り・介護を必要とする高齢者がいる調査対象者の約7割(69.8%)が公務員・会社員・自営業・パートなどの有職者、63.0%が子供ありと回答した。また約8割(79.9%)が、高齢者宅から離れた同一または隣接する都道府県内に居住していると答えた。
見守り・介護における現在の課題など
実施している見守り・介護は、「病院への通院送迎」(39.7%)、「定期的な音声通話での連絡」(33.7%)、「買い物の代行」(32.0%)、「健康・服薬状況の確認」(31.8%)などが上位にあがった。
見守り・介護における現在の課題は、「緊急時の対応」(45.0%)、「健康管理」(45.0%)、「認知機能の低下への対応」(41.7%)、「日々の状況把握」(38.8%)、「コミュニケーションへの頻度」(30.2%)、「精神的な孤独感への対応」(29.8%)などがあがった。

音声AIアシスタントの活用状況
調査対象者の24.4%となる126人が、見守り・介護に音声AIアシスタントを利用していると回答。そのうち8割(80.2%)が音声AIアシスタントは見守り・介護に「非常に役立つ」(53.2%)、「まあまあ役立つ」(27.0%)と回答した。
その理由として、「孤独感がだいぶ薄れると思う」「高齢者は電話に出ることにも時間がかかるので繋げることができて便利」「離れていても見守れる」といった理由があがった。
どのように音声AIアシスタントを活用しているか聞いたところ、「見守りカメラやセンサーとの連動」(47.6%)、「音声・ビデオ通話」(41.3%)、「音声AIアシスタントとの会話」(37.3%)、「服薬・通院予定などのリマインダー設定」(35.7%)、「照明・テレビ・エアコンなどの家電操作」(33.3%)があがった。
音声AIアシスタントの使用頻度など
見守り・介護における音声AIアシスタントの使用頻度は、61.9%のユーザーが毎日使用していると回答した。さらに音声AIアシスタントを見守り・介護に利用したことによる調査対象者の変化は、「見守り・介護をしなければという精神的な負担が軽減した」(66.7%)、「見守り・介護時間が短縮され、時間的な余裕ができた」(65.1%)、「見守りサービス費用などの経済的負担が軽減した」(65.1%)、「高齢者とのコミュニケーションが改善した」(62.7%)などが上位にあがった。
高齢者の変化については、「音楽などのエンターテイメントを楽しむ時間が増えた」(68.2%)、「発話・発声する機会が増えた」(65.1%)、「通院や投薬などの予定を忘れないようになった」(65.1%)、「AIアシスタントと会話することで孤独感が解消された」(65.1%)が上位にあがった。

なお、音声AIアシスタントを使用していないと回答した調査対象者の57.4%が、「音声AIアシスタントが見守り・介護に活用できることを知らない」と回答した。
離れた高齢者の見守り・介護をしながら、日常的に音声AIアシスタントを活用している調査対象者では、音声AIアシスタントは見守りのサポートからコミュニケーションの活性化まで、一定の効果を上げていると認識されていることが明らかになった。
アマゾンジャパンでは音声AIアシスタントAlexaのテクノロジーを大型施設などに一括して導入するサービス「Alexa Smart Properties(アレクサ・スマート・プロパティ)」を2023年末から提供。Amazonと契約するソリューションプロバイダを通じて、高齢者向け介護施設や住民の高齢化が進む地方自治体に導入、活用されている。
個々の施設や自治体のニーズにあわせて、Alexaのテクノロジーをカスタマイズして利用することができるという。
調査概要
- 調査名:「離れて暮らす高齢者の見守り・介護における音声AIアシスタント活用実態調査」
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象地域:日本全国
- 調査対象:離れて暮らす65歳以上の親や親族の見守りや介護などのサポートに関与していると申告した516人
- 調査期間:2025年8月1~3日