上新電機が掲げる「ライフスタイル・サポートカンパニーへの進化」とは? 自社ECの売上比率5割をめざす計画
家電量販店「ジョーシン(Joshin)」を運営する上新電機は11月4日に公表した新中期経営計画「JP-2028経営計画」で、「ライフスタイル・サポートカンパニーへの進化」をめざす方針を掲げた。新中計では営業利益100億円以上、ROE7%以上を目標とし、EC関連の数値目標としてEC全体に占める自社サイトの販売比率を5割に引き上げる。
関西、東海、関東、北信越エリアで地域密着の店舗展開を進める独自のドミナント戦略を展開している上新電機グループ。顧客の多様化するライフスタイルに合わせて要望、困りごとに応えていくためには、事業領域を拡張し、幅広い領域で多彩なサービスメニューを取りそろえる必要があるとして、「ライフスタイル・サポートカンパニーへの進化」をめざす方針を掲げたという。
家電など既存の「家電」のほか、「リフォーム」「モバイル通信」「エンターテインメント」「サポートビジネス」の5カテゴリーの事業構成の強化に加えて、新たな領域への挑戦を同時並行で進める。これまで培ってきた信頼と地域密着の精神をベースに、量販店×マチの電器屋の融合を通じて新しい価値の創造に挑戦するとしている。
リアル店舗だけでなく、ECやアプリなどの接点も組み合わせながら、生活インフラとしてさまざまな世代に支持される存在をめざすという。ECでは新中計期間中、EC全体に占める自社サイトの販売比率を5割に引き上げる。家電販売比率を引き上げることで、EC全体の収益力を強化する。
マーケティング関連では、自社のビッグデータと社外のネットワークを活用したJoshinファンのプロファイリングと1to1マーケティングの深化を進める。利用状況によって特典が受けられる会員制度「ジョーシンスマイルプログラム」を活用したOMO戦略の実行、リアル店舗とECサイトの相互利用促進を図る。
PB商品の本格参入も進める。現在パソコンを中心に一部の家電商品でオリジナルモデルを展開しているものの、売上規模は連結売上高全体の3%程度。これを新中継期間中に10%まで高める計画だ。
リアル店舗やEC、サービスインフラといった多様なタッチポイントを軸に、地域社会の暮らしに深く寄り添い、顧客1人ひとりのライフステージに応じた課題を解決。地域ベースの「Joshin経済圏」の構築を通じて、「ライフスタイル・サポートカンパニーへの進化」をめざすとしている。
上新電機の2025年4−9月期(中間期)における売上高は前年同期比9.6%増の2104億5200万円。営業利益は同16.3%増の21億3800万円、経常利益は同12.8%増の20億400万円。中間純利益は同13.7%減の18億9400万円。EC売上高は同22.2%増の362億6900万円。売上比率は17.2%だった。

